スタッフの主体性を高めるために必要な2つのこと【優秀店長インタビュー】
アルバイトスタッフから店舗改善の提案が多くあるという「ダイニングバー・HONEBUTOムーチョ」。スタッフの主体性を高める手法について黒田店長にインタビューしました。
※『働きたい店舗アワード』では、tenpoket チームアンケートの結果が特に優れていた店舗を年に一度表彰しています。
背景
当店はマニュアルも事例もない新業態。そのため、まず、接客に力を入れていこうと決意しました。接客で大切にしていることは、スタッフの主体性です。受け身の姿勢では、お客様に「また来よう」「あの子に会いに来よう」と感動していただけるような接客はできないと考えています。
――スタッフの主体性を高めるために、どのようなことを大切にしていますか?
ポイントは2つあると考えています。
ポイント①:スタッフの考えを聞き、取り入れる
意識的にスタッフの考えを聞くようにしています。「これどう思う?」と意見を求めることがよくあります。そして、考えは聞くだけでなく、なるべく取り入れてあげることがポイントです。
意見を取り入れた事例①「ハンディの設定」 新メニューのハンディ設定を変える際は、使い勝手について意見を聞くようにしています。 |
意見を取り入れた事例②「ワインの試飲」 ワインを新しく仕入れる時は、スタッフに試飲してもらい、価格設定などに意見を反映しています。お客様の年齢層に近いスタッフの意見は、すごく参考になります。 |
意見を取り入れた事例③「競合店調査」 競合店の情報収集は、よく飲みに行っている大学生アルバイトに聞くようにしています。「何が流行っている?」「最近どんなお店に行っているの?」と聞き、そこで得た情報を当店のメニューに反映させたりもします。 |
意見を聞いて取り入れていることを続けていると、スタッフからも「こうしたい」と意見が出てくるようになりました。
ポイント②:叱る理由を明確に、公平にする
主体性を引き出すと言っても、自由にやらせるばかりではありません。最低限のルールは守ってもらう必要があります。例えば、遅刻をしたり、髪の毛の色が会社の決まりとは異なるものだったりです。
叱る時は、「入社する時、髪の毛の色はここまでだよって言ったよね、その色はダメだよね」と叱る理由が明確になるようにしています。
理由も分からず理不尽に叱られると、「いつ、何がきっかけで叱られるかわからない」とスタッフは委縮してしまい、主体性を発揮できないのではないかと思うからです。
それと、人によって叱る/叱らないの基準がぶれないように意識しています。どれだけシフトに貢献していようが、技術があろうが、ダメなことはダメだとはっきり言います。叱る理由が明確でも、それが全スタッフに当てはまらないと、結局スタッフは叱られた理由が分からず委縮してしまい、主体性を発揮できないと考えているからです。
最低限のルールを守ってもらった上で、積極的に考えを取り入れる、この2つが、スタッフの主体性を高めることにおいて重要だと思います。
成果とポイント
◆編集後記◆
スタッフの主体性を高めるためのポイントとして、「仕事を任せる」「意見を取り入れる」というのは、よく言われています。
黒田店長の話で興味深いのは、ネガティブアプローチに関連して語られることの多い「叱る」を、主体性を高める観点でも重視している点です。
叱る基準が明確でないと、「いつ、なぜ叱られるのか分からない」とビクビクしながら過ごすこともあるでしょう。そんな状態では、主体的に行動することは難しいですよね。
まだ叱る基準を明確にしていない場合は、スタッフの主体性を高める一つのアプローチという認識で、取り組んでみてはいかがでしょか。
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※掲載情報は2017年9月現在のものです。
※取材・記事:株式会社MS&Consultig 砺波敬之