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【フィットネスクラブ】会員定着率を上げるために必要な『2つのCS』とは?

フィットネス業界を専門にコンサルティングを手がける株式会社cocoraise  代表取締役  川口氏をゲストにお招きし、「会員定着率を高めるために必要なこと」や「そのためのスタッフ育成法」についてのセミナーを開催致しました。ファシリテーションは弊社、株式会社MS&Consulting  新田です。(2021年6月29日開催)。


1.月額制サービスに必要な「2つのCS」

川口氏>総合フィットネスを経営する上で大事なキーワードの1つが「ライフタイムバリュー(顧客生涯価値、以下LTV)」ですが、このLTVを最大化するためには、お客様一人ひとりにフィットネスに通うことに夢中になってもらい、時間とお金を使ってもらうことが必要です。実際、コンサルティングの際に行うデータ検証では「利用回数」と「収益」に相関関係がみられます。

【図1】ライフタイムバリュー(LTV)とは

LTV(ライフタイムバリュー・顧客生涯価値)とは?【説明図】


そして『お客様に夢中になってもらう』。この視点で考えた時に月額制サービスの店舗運営に必要なCSは2つあります。

□ Customer Satisfaction(顧客満足)
お客様の一瞬一瞬の期待を超えることで生み出される。「感じの良いサービスだな」「居心地の良いクラブだな」。
□ Customer Success(顧客成功)
お客様の成功をサポートすることで生み出される。「ここに通って良かった」「ここがないと困る」。


総合フィットネスを利用されるお客様は、健康やダイエットなど、何らかの目的を持ってクラブに通われています。ですから、この2つ目のCS、「顧客成功」は会員定着率を高めるために重要な視点です。一般的にはCSと言えば「顧客満足」の1つだけですが、総合フィットネスのような月額制サービスの場合、そこが他とは異なる点です。


ゲスト講師:川口優子氏

セミナーにゲスト登壇いただいた、株式会社cocoraise  代表取締役  フィットネスCSコンサルタント  川口優子氏。支配人時代にはサービスとセールスの強化で250名の会員増。本部スタッフとしても500名の社員の採用・教育・評価・配置を担い、社員離職率1%を達成(2018年度)。その経験を活かしたコンサルティングを提供。

2.「2つのCS」を提供できるスタッフを如何に育てるか

川口氏>では、2つのCSを高めるために具体的に何をすればいいのかをご紹介します。

Point1:スタッフのLTV意識を育てる

川口氏>「初期定着」にだけ意識が向いているスタッフがとても多いです。それではLTVは高まりません。「通い続けてもらうためのサービス」を目指させることが大事です。お客様は「ずっと通い続けるに値するクラブ」を求めているわけで、「数ヶ月通うのに良いクラブ」を探しているわけではないからです。

例えば、挨拶が「こんにちは」だけ。よく見る光景です。パーソナルな挨拶ができていない。LTVから考えたら、総合フィットネスクラブのお客様に入り込めるという強みを活かして、マズローの理論で言うところの「親和の欲求」まで挨拶で満たしたいものです。

スタッフは「初期定着」を考えて接客している、お客様は「自分の人生」を考えて通われている。まずは、スタッフとお客様のこの意識の差をなくすことが大事です。

【図2】マズローの欲求段階説

マズローの欲求段階説とは?【説明図】


新田>その観点で言うと「社内コミュニケーションツールの見直し」は効果がありますね。よくあるケースが、社員は有料のビジネスチャット、アルバイトは無料のLINEを使っているというケース「本部→社員→アルバイトの伝言ゲーム」が起こっている。これでは本部の真意がアルバイトまで届かない。

実はこの問題は様々な業種で起こっています。弊社ではその問題を解決するために❝利用人数❞課金型ではなく❝店舗数❞課金型の業務連絡ツール「tenpoketトーク」をリリースしたのですが、今は年齢が若いスタッフの方がオンラインツールを使い慣れているので、導入後の変化が面白いです。例えばプレジャーカンパニーという会社があるのですが、次のような使い方が広がっています。

社内コミュニケーションツール見直し事例


□「本部通知機能」を使って本部の真意をアルバイトまで直接届ける。
□  理念について週1回投稿、アルバイトが書く日報にも理念が反映されるように。

□  全員が閲覧可能なため、成功事例が‟翌日”には拡散。

全文はこちら➡

「階層伝達」と「ダイレクト伝達」|tenpoketトーク


Point2:コミュニケーションルールの整理

川口氏>2つのCSを実現するポイント、2つ目は「初期定着のための仕組みを考える時にコミュニケーションルールも整理する」です。

「スタンプカード」など、初期定着のための取り組みを行っているクラブは沢山あると思いますが、あわせて、スタッフがお客様とどのタイミングでどんな会話をすべきかコミュニケーションルールも整理することが大事です。

例えば、入会時にウェア一式をおすすめしているフィットネスクラブがあります。「あなたの素晴らしいフィットネスライフにこれは必要です」と説明してくれる。結果、お客様は楽しく通うことができています。


【図3】コミュニケーションルールも整理する

フィットネス会員定着率を高めるポイント「コミュニケーションルールも整理する」|(株)MS&Consulting

※セミナー資料より弊社編集


Point3:「お客様の期待を読み取る力」を育てじわじわ離脱を防ぐ

川口氏>フィットネスクラブに通って下さっているお客様は1ケ月1万円を払ってもおしくないお客様、アッパーミドル層です。そういう方が日頃受けている接客をスタッフは知らない、という現実があります。「ちょっとしたがっかり」がスタッフとの接点で生まれてしまっている。お客様も大人だから言わないですが、その「ちょっとしたがっかり」が会員定着率を下げます。

新田>「お客様の期待を読み取るトレーニング」が必要だと感じます。例えば、イーストンという会社では顧客満足度調査(ミステリーショッピングリサーチ(株)MS&Consulting提供)を品質チェックだけでなく、スタッフ育成に使っています。

期待を読み取るトレーニング事例
□読むだけで終わらせない活用法、「顧客満足度調査が届く▶気づきシート記入▶社員がフィードバックコメント」の流れで再来店意向満点比率が20ポイントアップ
□店舗スタッフの活用度の高さは覆面調査の「閲覧率」「気づき記入率」「再来店意向得点」のデータを見える化したことがポイント


川口氏>フィットネスは2km圏内からの集客がメイン。ダメだったら取り返しがつかない。お客様に愛されて紹介も増える、その好循環を生むための仕組みづくりとして「お客様の期待を読み取るトレーニング」はとても大事だと思います。


まとめ

☑長く通っていただけるクラブにするためには「2つのCS」が必要
☑「2つのCS」を提供できるスタッフ育成のポイントは3つ

  1.  スタッフのLTV意識を育てる

  2. コミュニケーションルールも整理する

  3. スタッフの「お客様の期待を読み取る力」を育てる


tenpoketクラウドサービス紹介資料リンク


※記事:株式会社MS&Consulting ブランディング推進部 並木彩華
※記載の数値や固有名詞などは取材当時のものです。
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