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長期化するコロナ禍で‟従業員満足度(ES)″はどうなった?【アフターコロナへの課題】

長期化するコロナ禍でサービス業で働くスタッフの「従業員満足度(以下、ES)」はどう変化したのか?コロナ禍にES調査(tenpoketチームアンケート(株)MS&Consulting提供)を2回以上実施した60社、のべ136,149名の回答を分析、結果から「アフターコロナへの課題」について考察しました。


  1. コロナ禍前半は、どの役職でもESが向上していた
  2. コロナ禍後半になると店長に対するリーダーシップ評価」「チームの風土・遂行力に対する評価」が低下
  3. コロナ禍からのスピード再起動のためには「店長・社員の信頼関係」「チーム風土」の確認が重要


1.コロナ禍前半は、どの役職でもESが向上していた

コロナ禍の前半(2020年4月~11月)とコロナ前(2020年2月以前)を比べると、店長・社員・アルバイトのいずれの役職区分においてもESが向上していました。ほぼ全ての項目でスコアが向上していましたが、特に以下の項目が特徴的でした。


□リーダーシップ(情報の伝達・傾聴姿勢・興味関心)
 ・・・上司から部下へ適切に情報を伝えられており、また部下からの意見も聞けている

□チームの遂行力(実行力・継続力・自ら考え発信する場)
 ・・・コロナ禍となり追加された多くのオペレーションもコミュニケーションを取りながら実行・継続できている

□スタッフの主体性(有意味感・影響感)
 ・・・自分の仕事の意味を再認識し、主体性高く働けている


表1 コロナ前/コロナ禍後半のES比較(抜粋)
➡詳細の結果はこちら

従業員満足度の比較(コロナ前とコロナ禍前半)(株)MS&Consulting
※コロナ前:2019年4月~2020年2月(n=44,312)、コロナ禍前半:2020年3月~11月(n=50,606)、両期間で調査を行った54社


2.コロナ禍後半になると「店長に対するリーダーシップ評価」と「チームの風土・遂行力に対する評価」が低下

ところが、コロナ禍後半(2020年12月~2021年6月)とコロナ禍前半(2020年4月~11月)のES結果を比較すると、アルバイトスタッフのスコアは横ばいだったものの、店長・社員のスコアは悪化傾向となりました。長引くコロナ禍の影響が顕在化してきています。

【コロナ禍前半/後半の比較】
□アルバイトスタッフのESは横ばい(コロナ前よりは高い状態)
□店長・社員のESが悪化傾向(コロナ前よりも若干低い程度)


特に以下の項目が特徴的でした。

□店長の「チームの風土」「チームの遂行力」に対するスコアが低下
・・・「一緒に働く仲間(社員・アルバイト)」のモチベーション低下を感じている傾向がある。

□社員の「店長のリーダーシップ」に対するスコアが低下
・・・店長との信頼関係が悪化している傾向がある。

□店長・社員ともに「仲間の成長意識」に対するスコアが低下
・・・一緒に働く仲間の成長意欲に対する不満が増えている傾向がある。

□店長・社員ともに「お客様への思い」に対するスコアが低下
・・・一緒に働く仲間のお客様に喜んでもらいたい思いの強さが弱まっていると感じている傾向がある。来店客数減やマスク接客による顧客との接点減少の影響が顕在化してきた可能性がある。


表2 コロナ禍前半/後半のES比較(悪化幅上位10項目)





※コロナ禍前半:2020年3月~11月(n=38,433)、コロナ禍後半:2020年12月~2021年6月(n=33,786)、両期間で調査を行った46社


3.コロナ禍からのスピード再起動のためには「店長・社員の信頼関係」「チーム風土」の確認が重要

ワクチン接種が進んでいる欧米では、リバウンド消費によって経済活動が活発化してきています。そして、近い将来には日本でもワクチン接種の進展に伴い経済活動が復活していくことが予想されています(詳しくはこちら)。

そうなった時に、以前のような、もしくは、以前を超えるような成果を短期間で実現するためには、長引くコロナ禍で変化した各店舗のチーム状態を把握し、対策を打っておくことが重要です。

今回の分析では、長期化するコロナ禍で、「店長と社員の信頼関係」が悪化しやすくなっていること、「チームの風土や遂行力」が低下しやすくなっていることが分かりました。アフターコロナにむけて、特に「店長・社員の信頼関係」「チームの風土・遂行力」が確認しておきたい項目になります。

著者:株式会社MS&Consulting チーフデータサイエンティスト 錦織浩志

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