オンライン接客、実際の利用状況は?満足度を決める要因は?ネットリサーチ結果公開【2021年夏版】
コロナ禍となり沢山の企業がオンライン接客をスタートさせ、コロナ収束後に定着するかどうかを含め、今後の展開に注目が集まっています。一般消費者はオンライン接客に対して実際はどう感じているのでしょうか?ネットリサーチ結果をご紹介します。
※調査:2021年8月20日~8月23日(n=1046)
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ほぼ全ての業種で「オンライン接客の利用比率」は横ばい(2021年3月比)
「オンライン接客を受けたことがない」と回答した割合を、前回の結果(2021年3月調査)と比較しました【図1】。その結果、「オンライン接客を利用したことがない人」は1.1ポイントのみの減少で、横ばいとなりました。一般的には利用がそこまで浸透していないことがうかがえます。
【図1】オンライン接客を「受けたことがない」比率
※設問:「あなたはオンライン接客サービス(ビデオ通話など相手の顔を見ながら接客が受けられるもの)」を受けたことがありますか?」で「利用していない」を選択した比率
その中では「保険の加入・見直しの相談」の利用経験がある人は4.2%から5.7%に増えており、全業種の中で最も利用経験者の比率が高まっていました【図2】。
【図2】オンライン接客で「保険の加入・見直しの相談」をしたことがある比率
※設問:「あなたはオンライン接客サービス(ビデオ通話など相手の顔を見ながら接客が受けられるもの)」を受けたことがありますか?」で「保険の加入・見直しの相談」を選択した比率
業種によって満足度のばらつきが大きく、特に「保険の加入・見直しの相談」については「期待を下回る」の割合が3月より増加
「利用したことのあるオンライン接客の満足度」を聞いたところ、業種別に【図3】の分布となりました。
お客様の期待を下回った比率が最も高かったのは「不動産(賃貸、分譲住宅・マンション、注文住宅)」、お客様の期待を上回った比率が最も高かったのは「フィットネス(筋トレ・ヨガ・ピラティス)」となりました。
【図3】業種別オンライン接客満足度(括弧内は回答数)
※設問:選択した「最もよく利用するオンライン接客サービス」についての満足度はいかがでしたか?
今回利用経験のある人が増えていた「保険の加入・見直しの相談」については「期待を下回る」の比率が前回と比べて約2倍となりました(前回:13% → 今回:25%)。利用者が増えてきている一方で、オンライン接客にまだ不慣れなスタッフが多いことが予想されます。
お客様の不満を解消するポイントは「通信環境」「担当者のスキルアップ」「オンラインに適した資料」の3つ
様々な業種におけるオンライン接客の満足度を決める要因を、寄せられたコメントから分析すると、「オンライン接客の満足度は対面接客との比較で決まっている可能性が高い」ことが分かりました。この傾向は前回調査時(2021年3月)から大きな変化はありませんでした。
オンライン接客の満足度は‟対面接客との比較”で決まる傾向
お客様が好印象と評価した時は「対面接客よりもオンライン接客の方が良かった」といったコメントが多く見られ、一方で不満を感じた場合は「対面接客ほどの体験ができなかった」と感じてしまっているケースがほとんどだった。 オンライン接客の満足度の決まり方
好印象 = 対面にない価値を感じた 普通= 対面接客と同じ価値だった 不満 = 対面接客の方が良いと感じた |
また、不満を感じた要因としては下記が多く挙げられていました。
オンライン接客の不満要因 3.資料が分かりづらい |
下記に実際に寄せられたコメントを紹介します。
期待を上回った時の理由
①自宅にいながら店舗と変わらない接客を受けられる
②‟自分のため”の特別感がある
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期待を下回った時の理由
①通信環境が悪い
②担当者がオンライン接客に不慣れ
③資料が不十分
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筆者もマンションリフォームのオンライン接客を受けたことがありますが、全体を通して接客は良かったものの、事前アンケートの文言が分かりにくかったり、途中で流れる動画の音量が大きくてびっくりしたなど、残念な点もありました。店舗接客と異なる部分ではサービス提供側も満足度の検証が不十分で不満につながっている点があると考えられます。
「通信環境」「オンライン用の接客シナリオ・注意点の整理」「オンライン接客用の資料の拡充」といった点を今一度見直すことが有効と考えられます。
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文責:株式会社MS&Consulting チーフデータサイエンティスト 錦織浩志