チームビルディング成功の秘訣は、 店舗の状態に合わせた課題把握から
文:砺波 敬之 編集:宮本 紗和
株式会社MS&Consultingは、従業員満足度調査「サービスチーム力診断」によって、24万人(集計期間:2018年4月1日~2019年3月末日)のアルバイト・パートを含めた現場スタッフの声を収集しました。どの企業様もメンバーが主体的に個性や能力を発揮しながら一丸となってゴールを目指すチームになるための取り組みをされていらっしゃると思いますが、ビッグデータを分析すると、店舗の状況に合わせて重視しなければならない項目が異なっていることが分かりました。 |
従業員満足度調査『サービスチーム力診断』ステージ分布
従業員満足度調査「サービスチーム力診断」では、サービス業の平均スコアゾーンをステージBとし、全体を5段階(S~D)に分けています。(図「ステージ分布」参照)
そして、2018年1月~12月に従業員満足度調査「サービスチーム力診断」を実施した15,513店舗のデータを基に、各ステージの差異を取り、ステージ間の差異が大きい項目にランキングを付けました。差異が大きい上位10項目の内、「有意味感」「影響感」「成長感」「達成感」「適正な評価」「仕事への誇り」の6項目は、すべてのステージにおいて重要な項目であることが分かりました。この6項目以外に各ステージ差異で出現しているのが、以下の項目になります。
ステージDの店舗が重視すべき項目とは?
▼ステージC⇔ステージD の差異項目
「ビジョンの共感」
「信頼」
「人間関係」
「心身の健康」
ステージDでは、従業員満足度調査「サービスチーム力診断」のリーダーシップ項目である「ビジョンの共感」「信頼」が出てきております。スタッフが店長に対して信頼できていない状態にあるため、まず信頼してもらうために、店長自身のどのような行動に不信感があるのか?スタッフと密なコミュニケーションを取ることが重要です。また、店長への信頼がないと、ビジョン(店長の考え)を示したとしても共感を得ることができませんので、「ビジョンの共感」が差異の大きい項目として現れます。このステージでは、店長自身が店舗ルールを守っていない、シフト調整をお願いしたことが守られない、などがスタッフからの意見として出てくるケースが多いため、そのように思わせてしまっている店長自身の言動を振り返ることが必要です。
ステージC・Bの店舗が重視すべき項目とは?
▼ステージB⇔ステージC と ステージA⇔ステージB の差異項目
「強みを伸ばす風土」
「人間関係」
「顧客満足の実感」
「心身の健康」
従業員満足度調査「サービスチーム力診断」によると、ステージCからステージBまでは、チーム状態を表す「強みを伸ばす風土」「顧客満足の実感」の項目が出てまいります。スタッフ同士が互いのことを認め合えているか?有意味感や達成感にもつながりますが、日々行っている仕事の中でお客様に喜ばれる実感を得られているか?が重要になってきます。それを感じることで、スタッフがこのお店に自分は必要とされている、居場所があると思うことができ、店舗の状態が変わるのではないかと考えられます。居場所がある=「必要とされている」と感じているスタッフがどのくらいいるかで、ステージCからステージBまで広がりがあるのではないかと思われます。このステージでは、スタッフ同士が互いのことを認められるように、「○○さんは△△のところが素敵だよね」「▽▽さんは毎日□□を行ってくれるから、ありがたいよね」など、他のスタッフの良いところに目を向けられるようなコミュニケーションを店長から発信することが重要になります。
ステージAの店舗が重視すべき項目とは?
▼ステージS⇔ステージA の差異項目
「顧客満足の実感」
「責任感」
「提案」
「改善意識」
従業員満足度調査「サービスチーム力診断」によると、ステージAでは、ステージSとの差異として、スタッフの主体性項目である「責任感」「提案」が出てまいります。また、お店をより良くしたい意識を示す「改善意識」項目も出てきます。日々の仕事にスタッフが有意味感を持ち始め、お店のため、一緒に働くメンバーのために自分に何かできることが無いかと考え始めますので、自分だけでなく、みんなのために○○を行っていこうというコミュニケーションが重要になってきます。スタッフが自分の仕事に価値を見出し始め、仕事が面白くなってくるタイミングですので、「心身の健康」の項目が現れなくなるのが、特徴的です。このステージでは、オペレーション変更を行うときやシフト調整を行う際に、スタッフの意見を聞くことや、店長が問題意識を持っている事柄を共有し、一緒に解決する手伝いをしてほしいと促していくことが重要になります。
チームビルディング成功の秘訣は、店舗の状態に合わせた課題把握から
まとめますと、
☑ステージD:スタッフからの信頼感を高めるために、一人一人の意見を聞き、店長自身の言動を改める
☑ステージC~ステージB:スタッフ同士の良いところに目を向かわせるコミュニケーション
☑ステージA:店舗の問題を共有し、スタッフを頼りにしていく
が一つ上のステージに上がるために必要なアクションです。
ステージDの店舗状態にあるお店が、いきなりステージSを目指して、「責任感」や「改善意識」を目標にし、取り組んでいくことは困難です。つまり、今の店舗状態に合わせた課題を一つずつ解決していくことが、ステージSになるための近道と言えるでしょう。
さぁ、あなたの店舗はいまどのステージでしょうか。
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