働き方改革の落とし穴!?従業員満足度につながらない可能性とは?

『働き方改革』という言葉の浸透

2016年9月、内閣官房に「働き方改革実現推進室」が設置されてから1年と7か月、今ではどの企業にとっても『働き方改革』というのはホットなキーワードになっているのではないでしょうか。

このような調査結果があります。デロイトトーマツコンサルティングが2017年6~7月に実施した「働き方改革の実態調査2017~Future of Workを見据えて~」によると、2015年には約34%だった「働き方改革を実施済/実施中」と回答した企業が、2017年には73%と2倍以上に増加しています。この結果からも、今多くの企業で働き方改革が取り組まれていることが分かります。


Employee Motivation

『働き方改革』の目的とは?

では、働き方改革の目的とは何でしょう。政府が発表している「働き方改革実行計画」によれば「働く方一人ひとりが、より良い将来の展望を持ち得るようにする」「労働生産性を改善する」ことが意義として記載されています。また、先ほどのデロイトトーマツコンサルティング社の同調査によれば、1位が「生産性の向上」、2位が「従業員の心身の健康の向上」、3位が「従業員満足度の向上」となっています。これらのことから、働き方改革は単なる「長時間労働の是正」に留まらず「労働生産性の向上」や「従業員の働きがい・満足度向上」も大切な目的となっていることが分かります。

『働き方改革』は従業員満足度を高められるのか?

しかし、同調査にはこのような結果も紹介されていました。働き方改革の「効果を感じている」企業は全体の49%と約半数ある一方で、従業員の満足も得られたと回答したのは28%にとどまっています。つまり、「働き方改革の効果を感じられた」としても、約4割はそれが「従業員の満足」につながっていないと感じているのです。これはいったいなぜでしょうか。

私たちの従業員満足度調査「サービスチーム力診断」の調査によると、サービス業で働くスタッフさんの満足度に影響を与える要素として「①上司:どんな上司と一緒に働くか」「②仲間:どんな仲間と同じチームで働くか」「③仕事:どのように自分の仕事を捉えているか」「④会社:会社に対してどう感じているのか」の4つがありました。

「長時間労働の是正」という面では④会社のこととなりますが、従業員満足度は当たり前ですが、決してそれだけで決まるものではありません。特にサービス業の現場を支える店長さんやアルバイトスタッフの方々にとっては、①~③の影響も大きいのではないでしょうか。もちろん、労働時間を適正化して心身ともに健康な状態で働くことは不可欠です。そこに加えて「上司のリーダーシップ」「仲間とのチームワーク」「仕事自体の楽しさ」を高めていく、もし現状が分からないのであればそこを数値化、可視化することも『働き方改革』の両輪なのではないでしょうか。

EMPLOYEE BENEFITS

(参考資料:デロイト トーマツ コンサルティング社 報道発表資料「働き方改革の実態調査2017~Future of Workを見据えて~」)
文:錦織 浩志

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