トランジットジェネラルオフィス

スタッフの離職率が大幅改善! ES調査の結果に基づく”課題を絞り込んだ取り組み”とは 株式会社トランジットジェネラルオフィス

株式会社トランジットジェネラルオフィス


取材/砺波 敬之 文/宮本 紗和
※記載されている会社概要や役職名などは、インタビュー(掲載)当時のものです。ご了承ください

パンケーキブームの火付け役「bills(ビルズ)」などのライセンスブランドのオペレーション事業、「LEXUS(レクサス)」のコンセプトカフェ「THE SPINDLE(ザ・スピンドル)」といった、顧客体験型施設の空間開発プロデュース事業に定評があり、現在66ブランド105店舗を展開する株式会社トランジットジェネラルオフィス。「ライフスタイルに影響を与えられるような業態を発信し続ける」というコンセプトのもと、積極的な多店舗展開を行ってきたが、店舗数の拡大に伴って、店舗運営(オペレーション)スタッフの定着・育成という課題に直面することになる。ES調査を活用してこの課題解決に取り組む、執行役員 オペレーション事業本部長 木村学也氏、同部署コンサルティング&サポート 採用・研修シニアマネージャーの山下浩介氏にお話を伺った。

従業員満足度調査「tenpoket(テンポケット)」の導入理由を教えてください。

お話をお伺いした、執行役員 オペレーション事業本部長 木村学也氏、同部署コンサルティング&サポート 採用・研修シニアマネージャーの山下浩介氏


木村氏:当社は、この5年で店舗数が2倍に拡大しています。それに伴い、アルバイトを含めて年間1,800~2,000人を新規採用しているのですが、新人トレーニングの工数やコストが大きくなる中で、「スタッフの定着」や「業務効率化」といった問題の重要性も増してきました。そこでまず、自分たちの現在地点を客観的に把握できるツールはないかと探していたところ、従業員満足度調査「tenpoket」(以下、ES調査)を知り、導入いたしました。御社のES調査は、サービス業に特化した53万件のビッグデータに基づいて、今のチームの現状を偏差値という形で知ることができる点が特に良いと感じました。


サービス業界における自組織のポジションを把握されたかったということですね。

木村氏:はい。事業部を一つの単位(チーム)として調査を行ったのですが、それまでは何となく感じていた強みや弱みがデータとして如実にあらわれ、各部署の立ち位置が明確に把握できるようになりました。また、当社には外国人スタッフもおりますので、診断システムが英語対応をしていたのはありがたかったです。


ES調査の結果をもとに改善活動を行った結果、翌年の離職率が下がったそうですね。

全店長・シェフも含め総勢約300名が集う「経営方針発表会」で配布した冊子。ES調査の設問項目「ビジョンの明示」に該当する取り組み。クリエイティブに強い同社がつくる冊子は、ビジュアルが洗練されている。

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山下氏:はい。特に、上司との人間関係が原因と思われる退職者が前年と比べて50%減少しました。
当社のES調査では、基本設問とは別に、オプションで人間関係・コミュニケーションに特化した設問を設けているのですが、その設問への回答やフリーコメント欄の回答から、部下に対する業務上のコミュニケーションについての知識が乏しいという課題が読み取れました。その為、幹部から一般社員までを対象とした研修を行いました。受講対象が多いので、まずは外部講師を招いて役員幹部に受講してもらい、その後に外部講師と私で、全国各地で年間20回、シェフ、エリアマネージャー、店長を対象とした研修を実施しました。また、スタッフと本部の間のホットラインを設置し、客観的な立場から、スタッフの意見を聞くことができる体制を整えました。このような取り組みの結果、離職率が大幅に減少したことは、大きな成果だったと思います。


今後の展開について教えてください。

「経営方針発表会」で配布した冊子は、業績、(社員に友人や知人を紹介してもらう)リファラル採用に関する社員インタビュー、全スタッフの部署・顔写真一覧など内容も充実している。


山下氏:将来的には、アルバイトから社員になり、マネージャーになるというようなロールモデルをつくりたいと思っています。そのような環境を整えるのが、本部としての役割だと思っています。
というのも、退職面談をしていると、「学びの場」を欲している方がすごく多いことに気づかされるからです。スタッフの教育・育成、定着率改善というのは、飲食業のように「人の入れ替わりが激しい」と言われる業界だからこそ、取り組んでいくべきだと思っています。現在、一部の研修はアルバイトの方にも業務内として受講できるようにしていますが、当社で長くやりがいを感じて働いてもらえるように、自己成長やキャリアアップの場をさらに提供していきたいと考えています。この体制を整えていくことが目下の目標です。​​​​​​​

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