【緊急事態宣言の影響】消費者の居酒屋利用意向はどう変化したのか?
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に関する消費者意識調査を2021年1月30日から2月1日にかけて行いました(回答840名)。新規陽性者数が減少傾向に転じている今、消費者の行動はどう変わったのか、レポートをご覧ください。
- 新規陽性者数の減少と連動し、新型コロナに対する危機感も減少傾向
- 居酒屋利用に対する抵抗感は、危機感と連動せず下がっていない
- 2週間以内に居酒屋利用した割合は年末年始から既に減っており、女性は宣言後さらに下がった
- マスクの着用率は性別年齢を問わず、秋以降高まり続けている
1.新規陽性者数の減少と連動し、新型コロナに対する危機感も減少傾向に転じた
新規陽性者数が減少傾向に転じていることを受け、今回の調査でも新型コロナに対する危機感は緊急事態宣言発出直後よりも大きく下がっていました(詳細はこちらの記事を参照)。
【図1】新型コロナに対する危機感平均値と新規陽性者数の7日間移動平均推移比較
※「コロナウイルスに対する危機感をどの程度感じていますか?10段階でお答えください。」に対する回答の平均値推移(いずれもインターネットによるアンケートリサーチ)
2.居酒屋利用に対する抵抗感は、危機感と連動せず下がっていない
しかし、居酒屋利用に対する抵抗感は危機感と連動せず下がりませんでした。男女共に抵抗感は緊急事態宣言発出直後と同じ水準となっています。
実際に「2週間以内に居酒屋を利用した比率」を年代別に見ると、特に女性は緊急事態宣言後に居酒屋を利用した割合が下がっていることが分かります。男性の場合も年末年始から利用割合は大きく減少しており、その水準が緊急事態宣言後も維持されている状態となっています。
【図2】居酒屋の利用に対する抵抗感の男女別推移
「他のグループと1m以上間隔が空いている場合、”居酒屋”で飲食することに抵抗を感じますか?」に対する回答で「どちらかといえば抵抗を感じる」~「非常に抵抗を感じる」が選択された比率
【図3】年代別・2週間以内に居酒屋を利用した比率
「直近で”居酒屋”を利用したのはいつですか?(テイクアウト等でのご利用ではなく、店内飲食に限ります)」に「1週間以内」または「1週間前~2週間前」と回答した比率
3.マスクの着用率は性別年齢を問わず、秋以降高まり続けている
すっかり我々の生活に定着したといっても過言ではない「マスクの着用」ですが、実は秋以降″ほとんど”ではなく″必ず”着用していると答える人の割合が男女問わず高まり続けています。特に30代以上の女性は既に90%を超えています。ワクチンの接種後もしばらくは感染症対策の継続が必要なことからも「外出するときには必ずマスクをする」ことは、新しい常識として定着していくものと思われます。
【図4】年代別・外出時に「必ずマスクをしている」比率
「あなたは普段外出をするとき、マスクをしていますか?」に対して「必ず着用している」と回答した比率
データの推移を見ると、日々報道される新規陽性者数も減少傾向にあることから危機感は緊急事態宣言の発出直後に比べて和らいだ一方で、居酒屋の利用を控えたり、マスク着用を徹底したりするなど【一般消費者の行動変化】が起きていることが分かりました。感染症対策の徹底によって一日も早く収束させ、経済活動を再び活性化させられる日が来ることを願ってやみません。
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MS&Consulting社では消費者意識調査を定期的に行い、感染症対策と経済活動を両立させるヒントとなる基礎データをタイムリーに発信していきます。この大変な時期の一助となれば幸いです。
【調査概要】 調査期間(回答数)
調査対象 ミステリーショッピングリサーチに登録している調査員 回答者属性割合 第3回以降は、性別、年代、エリア(1都3県、それ以外)がほぼ均等になるように調査を行っています。 |