【消費者のホンネ】デリバリーアプリは今後どうなる?
コロナ禍で利用者が急拡大した『デリバリーアプリ(Uber Eats、出前館など)』について、一般消費者は"今”どう感じているのでしょうか?ネットリサーチを用いて調査しました。
- コロナ禍でデリバリーアプリの利用が「増えた人」は全体の33.5%で、特に20,30代の男女でその割合が高かった
- 利用が増えた人に対して今後どうなるかについて聞くと「今よりは減る」と回答した人が約7割と多くなっていたが、コロナ前と比べても減ると回答した人は約2割と少なかった
- 不安点や不満点を聞くと「配達員」や「配達時間」「写真とのギャップ」に関するコメントが多く寄せられた
※調査日:2021年6月20日~23日(n=1056)
1.コロナ禍でデリバリーアプリの利用が「増えた人」は全体の33.5%で、特に20,30代の男女でその割合が高かった
まず、このコロナ禍でデリバリーアプリの利用がどう変化したのかを調査しました。その結果、図1のように「非常に増えた」から「どちらかといえば増えた」という人までの合計は33.5%となっていました。性別・年代別に見てみると、20代女性が53%と最も高く、また、男女とも全世代平均を超えていたのは20,30代となっていました。
図1 デリバリーアプリの利用頻度変化
図2 利用頻度変化(性別・年代別)
「非常に増えた」~「どちらかといえば増えた」までの合計比率
※設問:コロナ禍で、デリバリーアプリ(Uber Eats、出前館など)の利用頻度はどう変化しましたか?
2.利用が増えた人に対して今後どうなるかについて聞くと「今よりは減る」と回答した人が約7割と多くなっていたが、コロナ前と比べても減ると回答した人は約2割と少なかった
次に、デリバリーアプリの利用が「今後どうなるか」について聞いたところ「今よりも減る」と回答した人は全体の32.9%となっていました。特にコロナ禍でデリバリーアプリの利用が「増えた人」に限ると全体の66.9%が「今よりも減る」と回答していました。このことから、今後ワクチン接種が進み、欧米のように外食が自由にできるようになるとデリバリーアプリの利用は減っていくということがわかります。
図3 アフターコロナにおけるデリバリーアプリの利用頻度変化(今と比べて)
しかし、このコロナ禍によって「デリバリーアプリの利用」そのものが根付いたことも事実です。利用頻度も「コロナ前と比べてどうか」と聞くと「コロナ前よりは増える」と回答した人が全体の24.9%となっており、特にこのコロナ禍で利用が増えた人に限ると56.8%が「コロナ前よりは増える」と回答していました。性別・年代別では、特に20代の男女でその傾向は強くなっていました。
図4 アフターコロナにおけるデリバリーアプリの利用頻度変化(コロナ前と比べて)
図5 性別・年代別のデリバリーアプリ利用頻度変化(コロナ前よりは増える比率)
設問:ワクチン接種が進むことによって、今後自由に外食したり旅行ができるようになると思われます。そうなったとき、デリバリーアプリ(Uber Eats、出前館など)の利用頻度はコロナ前と比べてどうなると思いますか?
3.不安点や不満点を聞くと「配達員」や「配達時間」「写真とのギャップ」に関するコメントが多く寄せられた
実際に利用している人に対して「デリバリーアプリを使用していて不安な点や困ったこと」について聞いてみたところ「配達員のモラル」「配達時間の遅れ」「写真と実際の商品のギャップ」に関するコメントが多く寄せられていました。急拡大によって生じた問題も多くあると考えられるため、今後に向けて改善の余地はまだあるものと考えられます。
【配達員に関するコメント】
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【配達時間に関するコメント】
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【写真とのギャップに関するコメント】
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MS&Consultingでは今後も消費者意識調査を行い、経営のヒントとなる基礎データをタイムリーに発信していきます。
執筆:株式会社MS&Consulting チーフデータサイエンティスト 錦織浩志