catch-img

新型コロナウイルスに関する消費者意識調査【2021年7月】

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に関する消費者意識調査を、2021年7月20日から7月24日にかけて行いました(回答数1057名)。ワクチン接種が進むと同時に、再び東京都への再度緊急事態宣言が発出された今、消費者の危機感や意識はどう変わったのかレポートをご覧ください。

ポイントマーク


  1. 前回、前々回の緊急事態宣言と比較して、消費者の反応は薄く、危機感はほぼ横ばい
  2. 東京都の危機感は増加に転じたものの、他のエリアについてはほぼ横ばいだった
  3. 女性の「居酒屋利用に対する抵抗感」は減少傾向を維持しており、全年代で徐々に利用頻度も戻りつつある

調査概要はこちら>>

1.前回、前々回の緊急事態宣言と比較して、消費者の反応は薄く、危機感はほぼ横ばい

東京都へ緊急事態宣言の再発出が決まりましたが、消新型コロナに対する危機感が大きく減少した6月20日~23日の前回調査時から、消費者の危機感は横ばいとなりました。また、過去の緊急事態宣言時の調査結果(前々回:第13回2021年1月10日~12日、前回:第18回2021年4月20日~26日調査)と比較すると、消費者の反応は限定的となりました。

【図1】新型コロナに対する危機感分布

「コロナウイルスに対する危機感をどの程度感じていますか?10段階でお答えください。」に対する回答

コロナ凡例




また、「PCR検査陽性者数」と「新型コロナに対する危機感」を比較すると、PCR検査陽性者数の急増には連動せず、危機感は横ばいとなっていることが分かります。ワクチン接種が順調に進んでいることも加わり、消費者の危機感はが高まりにくい傾向が出ていると思われます。

【図2】「新規陽性者数7日間移動平均」と「新型コロナに対する危機感平均値」

「コロナウイルスに対する危機感をどの程度感じていますか?10段階でお答えください。」に対する回答


2.東京都の危機感は増加に転じたものの、他のエリアについてはほぼ横ばいだった

男女別・年代別で見てみると、今回は特に20代女性で危機感が減少している傾向が顕著となっていました。それにより、男女別での危機感差も小さくなっています。

【図3】男女別・新型コロナに対する危機感

「コロナウイルスに対する危機感をどの程度感じていますか?10段階でお答えください。」に対する回答


【図4】年代別・新型コロナに対する危機感

「コロナウイルスに対する危機感をどの程度感じていますか?10段階でお答えください。」に対する回答


エリア別で見ると、緊急事態宣言が発出された東京では前回の宣言時程度までには危機感が高まっていましたが、神奈川・千葉・埼玉や関西圏(大阪、兵庫、京都)など、その他地域の危機感は高まりませんでした。


【図5】エリア別・新型コロナに対する危機感

「コロナウイルスに対する危機感をどの程度感じていますか?10段階でお答えください。」に対する回答


3.女性の「居酒屋利用に対する抵抗感」は減少傾向を維持しており、全年代で徐々に利用比率も戻りつつある

前回、女性の「居酒屋利用に対する抵抗感」が大きく低下しましたが、その影響もあり「2週間以内の居酒屋利用比率」は男女とも全年代で高まっています。特に20,30代男性と20代女性がけん引しており、今回の東京都への緊急事態宣言で大きく抵抗感も高まっていないことからこの傾向が続いていくことが期待されます。

【図6】男女別・居酒屋利用に対する抵抗感

「他のグループと1m以上間隔が空いている場合、”居酒屋”で飲食することに抵抗を感じますか?」に対する回答で「どちらかと言えば抵抗を感じる」~「非常に抵抗を感じる」が選択された比率


【図7】性別・年代別「2週間以内に居酒屋を利用した比率」

「直近で”居酒屋”を利用したのはいつですか?(テイクアウト等でのご利用ではなく、店内飲食に限ります)」に「1週間以内」または「1週間前~2週間前」と回答した比率



​​​​​​​※データはいずれもネットリサーチ当社調べ(2021年7月20日~7月24日、回答数1057名)


MS&Consulting社では消費者意識調査を定期的に行い、感染症対策と経済活動を両立させるヒントとなる基礎データをタイムリーに発信していきます。この大変な時期の一助となれば幸いです。

執筆:株式会社MS&Consulting チーフデータサイエンティスト 錦織浩志

この記事に関連するサービス

新型コロナウイルス対策調査/紹介ページリンク

新着の記事