catch-img

新型コロナウイルスに関する 消費者意識調査【2020年11月】

2020年11月30日から12月3日にかけて新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に関する消費者意識調査を行いました(回答数:825名)。日本においても新規陽性者数が連日2000名を超え、過去最多と報道される日が続くようになり、第3波が警戒される現在の消費者意識調査の結果をまとめました。

※性別(男女)、年代(20代、30代、40代、50代以上)、エリア(1都3県、それ以外)がほぼ均等になるように調査を行いました。


今回のポイント


  1. COVID-19に対する危機感は微増傾向が続いているが、夏と比べるとまだ低い状態を維持している
  2. 20代・30代男性、京阪神地域での危機感が高まっており、性別や年齢、エリアによる差が小さくなってきている。
  3. 各サービスの利用に対する抵抗感では、男女問わず前回上昇した「居酒屋の利用」の抵抗感が引き続き横ばいとなっているが、夏の第2波ほどではない


1.COVID-19に対する危機感は微増傾向が続いているが、夏と比べるとまだ低い状態を維持している

コロナウイルスに対する危機感について、これまでの調査との比較を行いました(図1)。結果、前回よりも『増加傾向』が強まっており、新規陽性者数が増加している様相を反映していると考えられます。

図1 COVID-19に対する危機感の分布

「コロナウイルスに対する危機感をどの程度感じていますか?10段階でお答えください。」に対する回答

【1130実施】新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に関する 消費者意識調査結果

いずれもインターネットによるアンケートリサーチ


一方でPCR検査陽性者数とCOVID-19に対する危機感を比較すると新規陽性者数は「第2波並み」に増えているが、COVID-19に対する危機感は「第2波ほど増えてはいない」ということが分かります。これは以前のまとめ記事で予想していたように「消費者心理が今後急激に変化はしにくい」ということを反映しているものと思われます。


図2 COVID-19に対する危機感の平均値と新規陽性者数の7日間移動平均推移比較

「コロナウイルスに対する危機感をどの程度感じていますか?10段階でお答えください。」に対する回答の平均値推移

図2 COVID-19に対する危機感の平均値と新規陽性者数の7日間移動平均推移比較


2.20代・30代男性、京阪神地域での危機感が高まっており、性別や年齢、エリアによる差が小さくなってきている

今回の結果を年代別、性別(図3)エリア別(図4)で比較しました。

その結果、今まで危機感が低かった『20代・30代男性』や『京阪神エリア』で危機感が特に高まっており、全体的に危機感が高まっていることが分かります。


図3 性別・年代別のCOVID-19に対する危機感の比較

「コロナウイルスに対する危機感をどの程度感じていますか?10段階でお答えください。」に対する回答

図3 性別・年代別のCOVID-19に対する危機感の比較


図4 エリア別のCOVID-19に対する危機感の比較

「コロナウイルスに対する危機感をどの程度感じていますか?10段階でお答えください。」に対する回答

図4 エリア別のCOVID-19に対する危機感の比較


3.各サービスの利用に対する抵抗感では、男女問わず前回上昇した「居酒屋の利用」の抵抗感が引き続き横ばいとなっているが、夏の第2波ほどではない

この調査では下記5つのシーンで「抵抗を感じるかどうか」を、「非常に抵抗を感じる」から「全く抵抗を感じない」までの7段階で評価をお願いしています。

【抵抗感を聞いている5つのシーン】

  1. 他のグループと1m以上間隔が空いている場合、“居酒屋”で飲食すること
  2. 他のグループと1m以上間隔が空いている場合、“ファストフード店(ハンバーガーや牛丼など)”で飲食すること
  3. 店内の換気について『ドアの開放はせずに(換気扇など)空調のみで換気をするお店』
  4. 小売店において、様々なお客様が触れることのできる商品を購入すること
  5. ビュッフェ形式のような、複数のお客様が自分で取り分ける食事形態

上記5つのシーンに対して、「非常に抵抗を感じる」から「どちらかと言えば抵抗を感じる」までを足し合わせた比率の推移を女性(図4)と男性(図5)に分けて比べてみました。

その結果、女性よりも男性の方が抵抗を感じる人が少ないという傾向に変わりはありませんでしたが、前回上昇していた「居酒屋の利用」は男女ともに横ばいとなっていました。

【図5】女性における各種サービス利用形態に対する“抵抗を感じる”側の比率

“抵抗を感じる”側の比率…「非常に抵抗を感じる」から「どちらかと言えば抵抗を感じる」までを足し合わせた比率

【図4】女性における各種サービス利用形態に対する“抵抗を感じる”側の比率


【図6】男性における各種サービス利用形態に対する“抵抗を感じる”側の比率

“抵抗を感じる”側の比率…「非常に抵抗を感じる」から「どちらかと言えば抵抗を感じる」までを足し合わせた比率

【図5】男性における各種サービス利用形態に対する“抵抗を感じる”側の比率


MS&Consultingでは定期的に消費者意識調査を行い、感染症対策と経済活動の両立させるためのヒントとなる基礎データをタイムリーに発信していきたいと考えております。

​​​​​​​

文責:株式会社MS&Consulting 錦織浩志

チーフデータサイエンティスト 錦織浩志
チーフデータサイエンティスト 錦織浩志
東京大学大学院工学系研究科を修了後、2012年に株式会社MS&Consultingへ入社。産業技術総合研究所との共同研究にプロジェクト開始当初からプロジェクトリーダーとして参画。社内初のデータサイエンティストとして大量の顧客満足度や従業員満足度の調査データ分析を担当。 所属:株式会社MS&Consulting テクノロジーイノベーション事業本部

この記事に関連するサービス

新型コロナウイルス対策調査/紹介ページリンク

新着の記事