外食利用復活の兆し!消費者が今思う「外食に出る理由」とは?【アンケート結果公開】
全国で緊急事態宣言やまん延防止等重点措置が解除され、新規陽性者数も大きく減少、ワクチン接種率も高まったことで、外食の利用も徐々に復活してきました。全国の一般消費者モニターに対して行った調査から「外食に行きたい理由」を分析してみると、コロナ禍による消費者の心理変化が見えてきました。
- 居酒屋の利用割合は回復傾向、だが、まだ昨年のGo To Eatキャンペーンの水準までは戻っていない
- 外食をする理由として「友人とのコミュニケーション」「非日常を楽しむ」「ストレス発散」が大きく上昇
- 居酒屋利用への抵抗感は下がったが約半数はまだ抵抗感がある状態、感染症対策を継続して欲しいとの声も多い。
1.居酒屋の利用割合は回復傾向だが、まだ昨年のGo To Eatキャンペーンの水準までは戻っていない
2021年10月20日~21日に行った調査で「直近で居酒屋を利用したのはいつですか?」と質問したところ、2週間以内に居酒屋を利用した人は男女とも1か月前(緊急事態宣言解除前)と比べて倍増していました。
特に男性の方が2週間以内に居酒屋を利用したと回答した人の割合が高く、25%を超えていました。
しかし、この割合は昨年のGo To Eatキャンペーン時と比べるとまだ低くなっており、時短要請も解除された今後についてはさらに高まっていくものと思われます。
図1 【男性】2週間以内の居酒屋利用者割合
図2【女性】2週間以内の居酒屋利用者割合
※設問:直近で”居酒屋”を利用したのはいつですか?(店内飲食に限る)
2.外食をする理由として「友人とのコミュニケーション」「非日常を楽しむ」「ストレス発散」が大きく上昇
同じ調査で「外食に出る理由」についても調査をしたところ、男女ともに
- 友人、知人とコミュニケーションを取るため
- 非日常感を楽しむため
- ストレス発散のため
を選ぶ人の割合が高まりました。
特に女性の「友人、知人とコミュニケーションを取るため」は1か月前と比べて10pt以上高まっており、昨年のGo To Eatキャンペーンの時期と同じくらいの水準となっていました。
一方「自炊する手間を省くため」という選択肢はコロナ禍になってから継続して高い水準となっています。以前の記事でも触れた通り、日々の食事を支える「インフラとしての外食」のニーズは環境の変化にあまり左右されないことが分かります。
図3 【男性】外食をする理由の変化
図4 【女性】外食をする理由の変化
設問:現在、外食に出る理由として当てはまるものを以下の選択肢の中から全て選択してください。
3.居酒屋利用への抵抗感は下がったが約半数はまだ抵抗感がある状態、感染症対策を継続して欲しいとの声も多い
別の記事で速報した通り、居酒屋利用に対する抵抗感は徐々に和らいできています。しかし「どちらかと言えば抵抗を感じる~非常に抵抗を感じる」と回答した人は男性で44.5%、女性では55.6%となっており、約半数がまだ抵抗感があると回答しています。
図5 【男女別】居酒屋利用に対する抵抗感
※「他のグループと1m以上間隔が空いている場合、居酒屋で飲食することに抵抗を感じますか?」に対する回答で「どちらかと言えば抵抗を感じる~非常に抵抗を感じる」が選択された比率
今まで我慢していた外食にようやく行けるようになったことから、外食を通して友人とのコミュニケーションを楽しんだり、家では味わえない非日常感を楽しんだりして、ストレス発散をしたいというニーズが高まっています。
しかし、消費者が「感染症対策のことを気にしなくなったということではない」と改めて確認しておく必要があります。いまだ約半数の人は居酒屋利用に抵抗感があり、感染症対策についても「続けて欲しい」という声が多く聞かれています。
新規陽性者数が激減した現在であってもなお「無くなると嫌だな」と感じる感染症対策についての調査記事はこちらをご覧ください。
著者:株式会社MS&Consulting チーフデータサイエンティスト 錦織浩志