新型コロナウイルスに関する消費者意識調査【2021年11月】
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に関する消費者意識調査を、2021年11月20日から11月23日にかけて行いました(回答数1036名)。安定して新規陽性者数を抑えられている現在、消費者の危機感や意識はどう変わったのかを報告します。
- 危機感は引き続き低下、過去最低水準に
- 性別・エリアによらず危機感は引き続き低下、年代別では40代で危機感がわずかに上昇
- サービス利用に対する抵抗感も、業種を問わず引き続き低下
1.危機感は引き続き低下、過去最低水準に
調査を行った11月末時点では新規陽性者数は100名台で安定して低く抑えられている状態でした。結果、消費者の危機感は急下降した前回(10月末)から引き続き低下、本調査をはじめた2020年4月以降、一番低い値となりました。
【図1】新型コロナに対する危機感分布
「コロナウイルスに対する危機感をどの程度感じていますか?10段階でお答えください。」に対する回答
【図2】「新規陽性者数7日間移動平均」と「新型コロナに対する危機感平均値」
「コロナウイルスに対する危機感をどの程度感じていますか?10段階でお答えください。」に対する回答
2.性別・エリアによらず危機感は引き続き低下、年代別では40代で危機感がわずかに上昇
今回も性別によらず危機感はさらに低下、男女共に過去最低水準となっています。
年代別にみると、40代は男女共に危機感がわずかに上昇しています。変異株であるオミクロン株が確認され水際対策が強化されるなどの、新型コロナウイルスに関する新しい動向が消費者の危機感にどう影響するのか、引き続き注視が必要です。
【図3】男女別・危機感
「コロナウイルスに対する危機感をどの程度感じていますか?10段階でお答えください。」に対する回答
【図4】年代別・危機感
「コロナウイルスに対する危機感をどの程度感じていますか?10段階でお答えください。」に対する回答
全てのエリアで危機感が低下しています。また、10月末の前回調査で関東圏(東京、神奈川、千葉、埼玉)と関西圏の危機感が逆転して以降、今回も関東圏の方が関西圏より危機感が低くなっています。
【図5】エリア別・危機感
「コロナウイルスに対する危機感をどの程度感じていますか?10段階でお答えください。」に対する回答
3.サービス利用に対する抵抗感も、業種を問わず引き続き低下
「居酒屋利用に対する抵抗感」は男女とも減少しました。特に女性の抵抗感の低下が顕著です。
一方、「新型コロナに対する危機感」が男女共に過去最低水準まで低下したことに比べると、男性の「居酒屋利用に対する抵抗感」は昨秋の水準まで近づいているものの、過去最低水準までは下がっていません。まだ男性の4割強、女性では約5割が抵抗を感じる側と回答していることもあり、居酒屋利用への抵抗感が無くなるというのはもう少し先になると思われます。
【図6】男女別・居酒屋利用に対する抵抗感
※「他のグループと1m以上間隔が空いている場合、居酒屋で飲食することに抵抗を感じますか?」に対する回答で「どちらかと言えば抵抗を感じる~非常に抵抗を感じる」が選択された比率
また、「その他のサービス利用」に対しても抵抗感は大きく減少しました。我慢してきた消費活動を再開させたい欲求が高まっている中で、サービス利用に対する抵抗感も下がっていることから、消費活動の活性化が期待されます。
ただし、ドアを開けずに換気していることに対する抵抗感は、他項目の抵抗感の減少に比べるとゆるやかです。引き続き、実施していることが‟見える”感染症対策が消費者の安心につながると考えられます。
【図7】各種サービス利用形態に対する“抵抗を感じる”側の比率
“抵抗を感じる”側の比率…「非常に抵抗を感じる」から「どちらかと言えば抵抗を感じる」までを足し合わせた比率
MS&Consulting社では消費者意識調査を定期的に行い、コロナ禍と経済活動を両立させるヒントとなる基礎データをタイムリーに発信していきます。この大変な時期の一助となれば幸いです。
◆データはいずれもネットリサーチ当社調べ(2021年11月20日~11月23日、回答数1036名)
◆執筆:株式会社MS&Consulting チーフデータサイエンティスト 錦織浩志