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『店舗アプリ』の成否を分けるポイント ~カスタマーリレーションシップマネジメント(CRM)の最新潮流~

コロナ禍でも善戦していた店舗があります。‟お客様とオンライン上でつながっていた店舗”です。そういった店舗は「デリバリーを始めた」といった情報を既存客に届けることができ、一定数の集客に成功しました。そのような流れもあり‟店舗アプリ”への関心がさらに高まっています。本記事では、「店舗アプリの成否を分けるポイント」について、数々のアプリ開発・運用を手がけているFunction Works株式会社・ 創業者の河村氏に伺いました。

※店舗アプリ:自社店舗専用に作ったアプリのこと。クーポン発行、プッシュ通知、モバイルオーダー&決済連動などの機能を搭載でき、リピーター獲得や顧客情報管理などを可能にする。


―『店舗アプリ』が注目されているのは何故ですか?

凄まじい量の情報があふれる中で『自店のことをお客様の記憶から呼び起こし印象づける』ためです。

お客様がお店を選ぶ時は、​​​​​

  1. 選択肢としてお店を思い出す
  2. 選択肢の中から利用店舗を選ぶ

という順番で考えていると思うんですね。つまり、お客様の選択肢に思い出されなければ、自店が選ばれることはない。

そして、今のように情報が大量にあふれている時代において、お客様の選択肢、記憶に残り続けるためには、店舗アプリなどを使って継続的にコミュニケーションを取ることが必要不可欠になってきています。

【図1】ファンクションワークス株式会社、取締役・河村征治氏
【取材】Function Works株式会社、創業者 河村征治氏。IT実用はもちろん、店舗経営の経験も豊富。その経験値が土台にあるため、お客様・スタッフ・本部の全てが使いやすいアプリケーションの開発・運用を得意とする。

僕がECサイトを運営していた時に学んだのは、「購買行動を引き起こすメディア影響は2時間が賞味期限」だということです。

例えば、人気番組でEC通販商品が紹介された場合、放映の数分後から販売数はうなぎ登りになります。ところが、放映2時間ぐらいをピークに販売数は一気に下がります。今の時代、2時間も経てば新しい情報が入ってきて、お客様の興味は移ってしまうということです。

この一瞬の販売チャンスを逃さない為には、DXアプリ等をつかった事前発注が役に立ちます。また、お客様の記憶に残り続けるために「顧客情報」や「オンライン上でのお客様の動き」をデジタルに把握して最適な情報提供をしていく。ECサイトでは当たり前の状況ですが、これがリアル店舗でも必然になっていくと思います。お客様とのオンラインコミュニケーションの方法は幾つかありますが、プッシュ通知を送れるという点でやはり「アプリ」が良いと思います。届いた情報をお客様が閲覧する確率が違います。

また、「店舗アプリ」が注目される背景には、コストパフォーマンスが良いからという理由もあります。「新規客獲得コスト」と「既存客にリピート利用してもらうコスト」を比較すると、後者の方が圧倒的にコストパフォーマンスが良いです。


店舗アプリ事例
アプリチューモン・クーポン画面【サンプル画像】

レモネードbyレモニカブランド向けに開発したアプリ。新商品や限定クーポンなどの情報をプッシュ通知で発信し会員の離脱を防いでいる。すでにアプリ会員数は35万人に達し、21年内には100万人を突破する見込み。


―『店舗アプリ』の成否を分けるポイントは何ですか?


①   コンマ1秒の操作性

「ゼロコンマ1秒の操作性」を改善するための作り込みを重ね、「操作ストレスによるお客様の離反」を減らすことが重要です。

・さくさく動く(重くない)
・直感的に操作できる
・注文までに必要なクリック数が最小

こういった点にこだわることが大事です。


トップ画面から最短4回のタップで注文が完結する

アプリチューモントップ画面【サンプル画像】

「引き算の設計」がユーザーの操作ストレスをなくし、リピート利用を促す。画像は「レモネードbyレモニカ」の店舗アプリ。


② 24時間、お客様が買いたい!と思った瞬間に購入できる

また、24時間いつでも購入できるシステムがあれば、売り逃しを最小にすることが可能です。「購買頻度」は顧客のファン化の観点からも大切です。

僕がもったいないなと感じていたのが、例えば人気TV番組に自分の経営する飲食店が取り上げられた場合でも、購買行動を引き起こす方法が「来店」のみと限定的であることです。先程お話ししたように「購買行動を引き起こすメディア影響の賞味期限は2時間」です。人気TV番組に取り上げられたその時に来店しなくてもスマホで購入できるシステムがあれば別チャンネルの売上UPに変わると思うんです。

特にSNSが発達した今は人気のインフルエンサーが自社商品についてつぶやいてくれたりするわけです。その時、その瞬間に商品を購入できるシステムがないのは非常にもったいないと思います。

店舗アプリで言えば、下記の様なシステムが整備されているかどうかで売り逃し額が変わってくると思います。

・予約機能
・事前決済機能
・ECサイト
・ビデオコマース


③こだわり・世界観を伝える

実は、

  • 新規のお客様
  • 既存のお客様

では注目する情報が違います。

新規顧客の獲得には「イベント性」や「話題性」が必要です。実施の成功例では、他ブランドとのコラボレーション企画、夏休み初回50%オフチケットなどです。

リピーターのお客様は、もっと「品質」や「価格(お得感)」に注目してくれます。

ですから、自社のこだわりを発信し、自店舗のファンになってもらうことが大事です。例えば、「使っている素材へのこだわり」「店名の由来」などを紹介します。また前提として良いものを売っている印象につながる「世界観のあるデザイン」も大切です。

新規獲得▶イベント性、話題性 
リピート獲得こだわり、世界観、お得感 


顧客のファン化には「こだわり」や「世界観」の発信が大切

店舗アプリでブランドのこだわりを伝える【画像サンプル】

ベーカリーショップの「小麦の奴隷」ではアプリ内に「こむぎのチャンネル」を開設。店名の由来などを解説する動画を配信している。


④   スタッフ・本部の負担を減らす

運用面では当然ですが、「本部・店舗のスタッフの負担を減らす設計」が大切です。どれだけシンプルな設計にできるか。

ただ、これからは人材難の時代です。僕らは「運用負担が少ない」というレベルからもう一歩踏み込んで「省人化につながる設計」を目標に開発を進めています。

例えば、僕らの基幹アプリ「アプリチューモン」では、商品の注文・決済から店頭受け取りの全てを完全非接触でできるようにしています。事前オーダー制にすれば食材管理の手間が減りますし、モバイルオーダー中心にすることでレジ業務負担が軽くなります。そして、圧縮したコストと労力は商品価値を高めることに使えます。

本部向けインターフェースの事例

アプリチューモン・本部向けインターフェイス【画像サンプル】


「店舗アプリ」は今後どのように進化するとお考えですか?

これから全てのものがモバイルで手に入る時代になります。全ての自社商品をオンラインでも買えるようにした方が可能性が広がると思います。折角良い商品を作っているのに、お店まで来たお客様にしか売れないのではもったいない。ITを使った販売方法はどんどん増えています。弊社の基幹アプリ「アプリチューモン」でも、時代を先取りした新機能を順次リリースしていくつもりです。


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※取材日:2021年7月1日
※取材:株式会社MS&Consulting 相崎哲史
※記載の数値や固有名詞などは取材当時のものです。

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