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値上げによる家計への負担感、6カ月連続で上昇。特に負担を感じている人は?

値上げラッシュは10月を最大の山場としてピークアウトしているとはいえ、まだまだ続いています。一方で企業が値上げせざるを得ない環境であることはマスコミの報道などで周知の事実であり「値上げは苦しいけれど仕方がない事情もわかる」というのが現在です。そんな"今"消費者の値上げに対する意識はどう変化したのでしょうか?リサーチ結果を報告します。(調査期間:2022年12月1日~5日、調査手法:ネットリサーチ、回答数:1,072名)

目次[非表示]

  1. 1.家計への負担感
  2. 2.どのような人が、特に負担を感じているのか?
  3. 3.「納得できた値上げ」「納得できなかった値上げ」、その理由


家計への負担感

【値上げによる家計の負担を感じていますか?】の問いに対して85.5%の人が「感じている(6点以上)」と回答、本調査を開始してから6カ月連続で微増が続いています。「強く感じている(9点以上)」と回答した人も45.5%と過去最高となりました【図1】。

【図1】値上げによる家計への負担を感じていますか?
図1値上げによる家計への負担を感じていますか?


どのような人が、特に負担を感じているのか?

では、どのような人が特に値上げによる家計への負担を感じているのでしょうか?回答者を「世帯年収」「よく使う決済方法」などの属性でグループ分けをして負担感を比較してみました。

特徴が見られた、1つの目の視点は「世帯年収」です。世帯年収が低くなるほど値上げによる家計への負担感は強くなっていました。特に世帯年収500万を下回る層で「強く感じている(9点以上)」と回答した割合が多くなっています(詳しい結果はこちらの記事からご覧いただけます⇒)

2つ目の視点は「支出額をどの程度正確に把握しているか」です。「1円単位で支出を把握していると回答した人」は「だいたい把握している人」や「あまり/全く把握していない人」に比べて、家計への負担感(9点以上)が強いことがわかりました。【図2】。家計を正確に把握している人ほど、値上げによる負担感があるようです。

【図2】支出の把握度別/値上げによる家計への負担感
※設問「ご自身の支払い金額をどれくらい把握していますか?」に対する回答別に集計
支出の把握度別値上げによる家計への負担感


「納得できた値上げ」「納得できなかった値上げ」、その理由

また、【直近1カ月間の消費行動の中で値上げを感じた瞬間はありますか?】と聞いたところ87.3%の人が「ある」と回答しました【図3】。年内の「値上げラッシュ」は10月を最大の山場としてピークアウトしているとはいえ(帝国データバンク調べ)、消費者の値上げ実感は依然として高いと言えそうです。

【図3】直近1カ月間で、ご自身の消費行動の中で値上げを感じた瞬間はありますか?
	直近1カ月間で、値上げを感じた瞬間がある

日頃生活する中で気づいた値上げについて「納得できた/納得できなかった」その理由について、以下のコメントが寄せられました。

《納得理由》

□コスト高で値上げは仕方がない
・仕入れ原料や経費が値上がりしている以上仕方がない(50代男性)
・コロナ禍、社会情勢(ロシア)などやむを得ない事情が企業側にもある(40代女性)

□値上げ理由の説明があり納得できた
・POPなどに値上げの説明があると納得できる(30代女性)
□事前告知があり納得できた
・近所のお店で値上げする主な商品について何時から幾ら値上げとの事前告知があった。買いだめの目安になりよかった(30代女性)
□同時に品質改善があれば納得できる

・商品の品質がよくなっていれば納得できる(30代女性)


《納得できなかった理由》
値上げの説明がなかった
・値上げしたことを明記して欲しい(30代女性)
・実質的に何が値上げの原因かがわかりづらいと納得しづらい(40代男性)

□事前に告知して欲しかった
・事前にいつから値上げなのか告知をして欲しかった(50代女性)
□品質が変わっていない/価格は同じでも品質が落ちている
・サービス内容が全く変わっていないのに、いきなり大きく値上げされると納得は難しい(40代女性)
・容量を少なくするのは理解できますが、味を落とすのはNG(40代男性)
□値上げ幅が大きいと感じた/複数回の値上げ
・前の価格と差があり過ぎて納得できなかった(40代男性)
・予告なく急に上がり、その翌日にまた上がっていて、少しいかがなものかと思ってしまいました(50代女性)


原材料や人件費の高騰は消費者も理解しており、全体的には「値上げは仕方がない」というコメントが多くなっていました。一方で「わかってはいるけれど値上げは苦しい」という気持ちが消費者にあるのも事実で、

  • 事前にいつから値上げするか告知する
  • 値上げと同時並行で品質改善を行う
  • 短期間に何度も値上げすることはなるべく避ける

といった消費者の心理に寄り添った値上げの進め方が、理解を得るためには重要になると言えそうです。

「この値上げ告知方法ではお客様は不満を感じないか?」「値上げ前後で顧客満足度が変わってしまっていないか?」などの不安を解消するため弊社では『価格改定の判断』をサポートする各種リサーチサービスをご提供しています。お気軽にお問合せください(詳しい資料はこちらからダウンロードできます⇒)


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【調査概要】※詳細はこちら→
調査エリア:全国
調査対象者:20歳~59歳 男女
サンプル数:1,072サンプル
調査期間 :2022年12月1日~12月5日
調査機関 :株式会社MS&Consulting


執筆:株式会社MS&Consulting ブランディング推進部 並木彩華、監修:同社  データ活用推進室  室長  チーフデータサイエンティスト 錦織浩志



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