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【消費者のホンネ】今年の夏は何がしたい?

この梅雨が終われば暑い夏がやってきます。今回の調査は『もうすぐやってくる今年の夏にやってみたいこと』です。コロナ禍が今よりも収束していることを願って願望も込みで回答してもらうことで、消費者のリアルな欲求とそれを企業活動に活かす方法を考えました。

	この記事のポイント


  1. 「今年の夏にやってみたいこと」第1位は「国内旅行(少し遠い場所)」
  2. 男性は「キンキンに冷えたビール」、女性は「冷たいスイーツ」、20代30代は「お祭りや花火」を求める傾向
  3. 現実には難しいこともあるが、このニーズは活かせるはず

※調査日:5月20日~22日、回答数:1045名、性別・年代・エリア(1都3県、それ以外)がほぼ均等になるように調査を実施。

1.「今年の夏にやってみたいこと」圧倒的な第1位は「国内旅行(少し遠い場所)」

「今年の夏にやってみたいことを最大7つまでお選び下さい(コロナ禍が今よりも収束していることを願って願望も込みでお選び下さい)」という質問をしたところ、第1位は圧倒的に「国内(少し遠い場所)旅行に行きたい!」となりました。第2位に約20ptと大差をつけており、多くの方が「旅行に行きたい!」と思っていることが分かります。

【図1】消費者が選ぶ「今年の夏にやってみたいこと」ランキング

※複数選択可(最大7つ)

	図1消費者が選ぶ「今年の夏にやってみたいこと」ランキング

「もうすぐやってくる今年の夏にやってみたいことを以下の中から最大7つまでお選び下さい(コロナ禍が今よりも収束していることを願って願望も込みでお選び下さい)」に対する回答

2.男性は「キンキンに冷えたビール」、女性は「冷たいスイーツ」、20代30代は「お祭りや花火」を求める傾向が強い

男女別・年代別に「今年の夏にやってみたいこと」ををみると、異なる傾向が幾つかみられました。

①男性の方が「お店でキンキンに冷えたビールが飲みたい!」「屋外のビアガーデンでキンキンに冷えたビールが飲みたい!」を選ぶ傾向

ビールに関する選択肢を選ぶ比率は、女性より男性の方が高くなっていました。また、男性の中でも上の年代の方が選択比率が高くなっており、特に「50代男性」で断トツに高くなっています。


【図2】性別・年代別「お店でキンキンに冷えたビールが飲みたい!」と回答した割合

図2性別年代別お店でキンキンに冷えたビールが飲みたいと回答した割合

【自由回答より】

  • ワクチン接種も進んで自由に飲食できるようになったら、お店でキンキンに冷えたビールで乾杯して笑いながら楽しく飲みたいと思ったので選びました。(40代男性)
  • 私の住んでいる地域では酒類の提供も禁止されており外でお酒を飲むことができません。後ろめたさがない状態で早く居酒屋に行きたいと思います。(30代男性)
  • 生ビールはお店でしか飲めないので!!(40代女性)


②女性の方が「アイスやかき氷など、夏の冷たいスイーツが食べたい!」を選ぶ傾向

一方「冷たいスイーツが食べたい!」という選択肢を選ぶ比率は、男性より女性の方が、その中でも20代女性が断トツで高くなっていました。


【図3】性別・年代別「アイスやかき氷など、夏の冷たいスイーツが食べたい!」と回答した割合

	図3性別年代別アイスやかき氷など、夏の冷たいスイーツが食べたいと回答した割合

【自由回答より】

  • サーティワンなど、テイクアウトタイプのお店でスイーツを購入して、密を避けながら手軽に避暑を楽しみたいと思うからです。(40代女性)
  • 子供も甘いものが好き。手軽に涼を楽しめる。コロナの心配があまりない。(30代女性)
  • 近隣でコロナ陽性者がいたことを受けて、まだまだ自宅時間が必要だと思いました。ただそのような中でも、季節を感じられる食べ物は食べたいので、自宅でできるアイスやかき氷などの冷たいスイーツをチョイスしました。(40代男性)

③20代や30代女性の方が「花火やお祭りへ遊びに行きたい!」を選ぶ傾向

年代別で傾向が出ていたのが「花火やお祭りへ遊びに行きたい!」でした。回答した人の割合は30代女性が最も高く、20代の男性、女性も次いで高くなっていました。

【図4】性別・年代別「花火やお祭りへ遊びに行きたい!」と回答した割合

	図4性別年代別花火やお祭りへ遊びに行きたいと回答した割合

【自由回答より】

  • 昨年の夏はほとんど出かけておらず、季節を楽しむことができなかったので、夏を感じられる花火を見たいと思ったから。(20代男性)
  • 子供が小さいうちにしか一緒に楽しめないと思うからです。大きくなるとお友達と行ったりして、家族でお祭りに行くことは少なくなると思うので、今の年齢の子供と楽しみたいからです。(30代女性)
  • 夏らしいことを去年何一つできなかったから。花火を見るだけ、身内と花火で遊ぶだけならコロナも気にならないから。(20代女性)


3.現実には難しいこともあるが、このニーズは活かせるはず

アンケート調査の結果から「今年の夏こそ夏らしいことがしたい!」という消費者の声が大きいことが改めて分かりました。思えば昨年の夏も「今年は特別な夏になる」と言われ多くのイベントが中止となり我慢の夏となりました。しかし、海外旅行は依然として難しく、大人数でのBBQや国内旅行なども今年の夏にできるようになるかは不透明なままとなっています。既に中止が発表されている花火大会もある中、この結果をどう捉えるべきなのでしょうか。

確実に言えることは「消費者には夏を楽しみたい強いニーズがある」ということです。自粛の期間が想像以上に長くなっていることによって「今年の夏こそ夏らしいことがしたい」というニーズは例年よりも強くなっている可能性もあります。

特に男性にとっては「キンキンに冷えたビール」女性にとっては「冷たいスイーツ」が、そして若年層は「花火やお祭り」に対してニーズがありました。感染症対策と両立した上で、飲食店であれば酒類販売ができるようになった後にしっかりこのニーズを取り込むことができます。「キンキンに冷えたビール」であれば大人数でなくてもおひとり様利用(個食)であれば感染症対策とも両立ができるとも考えられます。

小売店においても、例年以上に季節を感じられる売場や商品が消費者に刺さっていく可能性も考えられます。花火やお祭り、夏の冷たいスイーツなど「夏らしさ」を感じられる売場や商品によって顧客にお買い物を一層楽しんでもらえるのではないかと思います。

	海イメージ図


MS&Consulting社では消費者意識調査を定期的に行い、感染症対策と経済活動を両立させるヒントとなる基礎データをタイムリーに発信していきます。この大変な時期の一助となれば幸いです。


MS&Consulting 錦織浩志
MS&Consulting 錦織浩志
東京大学 大学院を修了後、MS&Consultingへ入社。データアナリストとしてビックデータの分析を担当。その知見を活かし、国立研究開発法人 産業技術総合研究所との共同研究の成果として、数々の共著論文を発表。研究テーマ例に「従業員エンゲージメントと顧客満足の関連性分析」「パート・アルバイトの従業員エンゲージメントの特徴」「サービス・ベンチマーキングによるサービス・プロフィット・チェーンの高度化に関する研究(サービス学会BestPaperAward受賞)」など。

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