
おもてなし力を磨くには基礎体力が必要 【HUGE新川社長に聞く(3/3)】
「おもてなしの能力」は、どのように育てることができるのか? 2002年の日米首脳会談では会食の接客を担当、「サービスの神様」とまで言われた、株式会社HUGE新川社長にお伺いした(取材:株式会社MS&Consulting 常務取締役 渋谷行秀)。
おもてなしの基礎体力と運動神経
能力というのは何でもそうなんですけれど、ベースとなる基礎体力と、その上にある運動神経の二つがあると考えています。例えばゴルフだと、基礎体力となる足腰が弱いとスウィングがぶれてしまいますよね。
おもてなしの能力についても、これと同じことが言えると思います。弊社では、基礎体力の部分を「オペレーション(運営力)」、運動神経にあたる能力を「アンティシペイション(事前予知力)」と「リコグニション(顧客認知力)」と表現しています。
オペレーション能力を高いレベルで磨く
基礎体力(オペレーション)の大事さを、僕はよくお盆持ちに例えて話します。お盆を使って料理や飲み物を運ぶというときに、慣れないうちはひっくり返すんじゃないか、こぼすんじゃないかと心配で、じーっとお盆を見ながらそろそろと歩くことになりますよね。そういう人の視界って、せいぜい45センチくらいしかない。何しろお盆しか見ていないわけですから。そんな状態の人に「お客さまに目を配れ」とか、「お客さまの期待に気づけ」とか言っても、それは無理というものです。しかし、お盆の扱いに慣れて、手の延長として自由自在に扱えますという状態になれば、一気に視野が広がります。
「おもてなし力を磨く」というと、お客さまの期待を察するといった運動神経の部分に意識が向きがちですが、その前提となる基礎体力のオペレーション力を高いレベルで磨くことも必要です。オーダーを間違えない。お客さまをお待たせしない。そういう基本ができていてこそ、心に余裕が生まれ、お客さまに気を配ることができるのです。
取材: 株式会社MS&Consulting 常務取締役 渋谷行秀
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